「奥能登のあえのことJが、2009年(平成21年)9月3 0日付きで国連教育科学文化 機関(ユネスコ)の世界無形文化遗産に登録されました。
奥能登では、収穫後の12月5日、田から田の神を自宅に迎え、耕作前の2月9日、再び田へ送り出す「あえのこと」と呼ばれる伝統行事が行われている 。「あえ」は、饗応(おもてなしをすること)、「こと」は、祭りを意味するとされる。
12月5日は、「暮(冬)のあえのこと」または「田の神迎え」と呼ばれる。田の神を田から自宅にお連れし、風呂や食事でもてなし、その年の収穫を感謝する。田の神は、目が不自由とされているため、もてなす家の主人は、あたかもそこに田の神がいるかのように、声をかけて接待する。その後、冬期間、田の神は、神棚や床の間で休むとされる。
2月9日は、「春のあえのこと」または「田の神送り」と呼ばれる。12月同様、再び、田の神を風呂や食事でもてなし、今年の豊作を祈願し、家の表戸まで送り出し、田に戻ってもらう。田の神は、田の守護神であるとともに、その家の神でもある 。
三井町では「田の神 様祭り」と呼ばれていて「あえのこと」とは称していません。行われていることの形態や内 容及び精神は全く同じです。名称が異なるだけです。
平成21年12月5日、ここ三井の里•茅葺き家屋「旧福島 邸』で「田の神様Jを迎える祭りを再興しました。
また春には、稲作の豊穣を願って春から秋にかけて田圃を守って頂くために「田の神様送り」を、2月9日前後(実際は(土)に実施するよう調整)に執り行います。
写真提供:能登輪島 フォトグラファー 坂本 藍 さん