急峻な山が日本海に直接迫る能登半島輪島市大沢町・上大沢町では、海からの強い季節風から家々を守るため竹を組んで作られた「間垣」と呼ばれる垣根で集落を囲み、今日まで生活をしてきました。間垣は、ニガタケという細い竹を縦に差して組まれており、夏は適度な日陰をつくり、冬は冷たい強風を防ぐとても機能的なものです。山と海に囲まれた狭い平地に存在し、背後の山々に点在する棚田での農業と前面に広がる豊かな海での漁業により人々が暮らす、半農半漁の生活の中で間垣を用いた街並みは能登の里山里海の生活・生業を知る上で欠くことができない文化的景観です。