世界無形文遺産(ユネスコ)登録(平成21年11月)
12月5日、田の神様を自宅に招き入れ、風呂場に案内した後、座敷でご馳走を捧げる。山盛りのご飯に味噌汁。煮物や焼き魚などを供えて栗の木の大きな箸をつける。やがてそのお下がりを家族全員で分け合っていただく。
2月9日、家で越冬してもらった田の神を送り出し、その年の一年の豊作を祈る。
もともと地域の行事ではなく、各農家の純朴な原始信仰につらなる慣行であるため、儀式の様式は農家により様々である。
『あえのこと』の「アエ」は「饗応(もてなしをすること)」を、「コト」は「祭事」を意味するといわれている。田の神様は目が不自由な夫婦神であるという説が一般的である。目が不自由な理由として、長い間土の中にいたからや、稲の穂先に目を突かれたからだとか。
現在では、農家であるないに関わらず「食への感謝」という意義を含めて、広く伝承していくために三井の里・茅葺き家屋「旧福島邸」で再興した。